とうふ油

とうふとアイドルについて

あの日の花音も真剣だった

福田花音さんがグループを卒業するそうです。www.youtube.com

今週のハロステで本人映像により発表されたわけですが、これがなんともいえない、いつものまろ口調だったことに戸惑っている、そしてほっとしている。
よそ行きの少し鼻にかかった声でまろは話す、「わたしは大好きなハロプロスマイレージというグループに入れたこと本当に幸せだと思ってて~」感情がこもっているのに早口で淡々と話してしまう花音特有の話し方はどうも緊張感が足りない。
ライブMCでさっき起こった楽屋ニュースの話すとき「あのお、ちょっと聞いてくださいよーさっきめいめいがこんなこと言ってきたんですよ~」
家でおばけをみたと話すとき「ほんとですよぉ、わたしよく嘘つきって言われるんですけどこれだけはほんとです!」
表情こそ硬かったが、自分がグループを脱退するという深刻な発表をもってしても、いつものテンポでいつものトーンでぺらぺらと話す。

感情が溢れ出して涙するわけでもなく、言葉と言葉の合間に急ぐように呼吸をはさむ独特の口調で話す花音は変わらない。

スマイレージ」がまだ「S/mileage」だったころ、無料イベントスペースで開催されたミニライブはCD購入者だけメンバー全員と握手ができた。
「まろ」ではなく「かにょん」だった福田花音さんとの初めての握手、なんて声かければいいかな照れちゃうな~なんてゆうかりんをのことを考えながら待機していたら、1番手のかにょんに「かのんのこと好きになってくださいね」と声をかけられた、あたしのこと好きになってくださいねだったかな?細かいことはよく覚えてないけど、とにかく驚いた。そして当時まだ中学生だったかにょんからの言葉に「え」としか言ってあげられなかった自分のアドリブ力のなさに落胆した。

ハロステの映像をみながらあのときの花音を思い出してみた。熊井ちゃんのことを語る花音を、自分の扱いに拗ねる花音を、2名が脱退したときの寂しそうな花音を思い出してみた。
いつも思いのままペラペラと話してたなあ…、

エッグ時代から策士だの言われ太ったり痩せたり病んだりはしゃいだりとにかく話題(作り)に欠かない騒がしい人だったけど、そのせいでわたしは花音のことを勘違いしてしまっていたのかもしれない。謎の客観性、独特の持論、現代っ子の塊、そんな要素をたっぷりと持ち合わせ、オタクをオタクとして扱い、淀みなくそのことを満喫し躊躇なく話している花音を作り物のように、あるいは演技のように感じていたところがある。こいつ強ええな、なんて思ってた。

卒業発表をしたハロステではいつものまろ口調で淡々と考えを話す。
でも、たぶん、作り物じゃない。今後のアンジュルムに期待していることも、これまでの感謝も、自分の将来のことも、ぜんぶ本音に聞こえる。そしたらいまになって初めて花音の存在がリアルに思えてきた。あのとき「かのんのこと好きになってくださいね」と手を握られたのもきっと真剣だったんだ。
全部が真実だとはいまでも思えないんだけど(笑)それでもわたしはやっと気づいた、作り話も、自虐ネタも、好きな物を好きと大きな声で言ってしまう軽率さも、ぜんぶ真剣。花音は真剣に煽り、真剣に巻き込み、真剣に落ち込んできたんだねって、本当に今更だけど気付かされた。
ハロプロに入って11年、加入から知っているくせに初めて作り物のその中の人の言葉を受け取ろうっておもった。秋までのは、ぜんぶ受け取る。
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